2014年11月04日

「好きなもの」で社会を変革するビジネスモデル

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「社会への貢献」を多くの人が意識するために
「好きなもの」をビジネスに結びつける取り組み
Over the Rainbow」原宿店のオープニングイベントに参加してきました。
Over the Rainbow」は大きく言うとこんな取り組みをしています。
ガールズがファッションを通じて
社会問題を意識&理解する
デザインや仕組みを企業に提案し
社会をより良く変えていくアクションを起こす
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主催者は佐野里佳子さん。28歳です。
ご自身が8歳で阪神大震災を経験、9歳でお父様の仕事でインドネシアで暮らしたことをきっかけに、世界にも日本にも様々な問題があると実感したそうです。
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佐野里佳子さん。オープニングイベントはショップで行われました。お店は路地奥の大きな蝶が目印!
たとえばDV、障害者雇用、難病……。
社会問題に対して取り組む団体も多いのですが、ご自身のやりたいことについては限界を感じたそうです。
・個別の問題を個別に対応する機関はあっても、
総合的に取り組もうとする団体は限られている
・「社会問題」と題すると、
その問題にもともと関心がある層しか輪に入ってくれない
里佳子さんは「社会を構成する人たちが、社会問題を自分ごとのように気づいて小さなことでもアクションを起こすこと」が大事だと考えていたのですね。
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好きな貝殻を買って、その貝に自分の名前を書く。それがショップを応援するカンパになりました。
で、ここからが本題!(笑) 私がとても共感したところなのですが(!)
みんなの「好きなもの」をツールにして、助け合いの輪を広げていく方法を里佳子さんは取りました。
その好きなものとは「ファッション」

ファッションならば、社会問題に関心がない人でも手に取ってくれますよね。
ショップで販売する服には、すべて「物語」がついています
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世界中から集められたガールズの服。それぞれに社会と関わる物語があります。
Over the Rainbow」では、
発信を主体的にしていく人たちを「ガールズ」に設定しました。
若い女の子は、感性は豊かだけれども社会的な発言力が低く、ともすれば周囲の環境に抑圧されがちな存在です。

服は世界中の「ガールズ」から買い付けており、
「物語」をまとった服を身につけることで社会問題に関心を持ってもらえればという「自分ごと」に落とし込むアクションをしています。

このほか、プロジェクトマネジメントやプロダクトデザインを学ぶコミュニティスクールを開催したり、ガールズたちのデザイン提案を企業が受け取り、一緒に社会を変えていく商品づくりをしていく取り組みも行なっています。
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ショップは小さいけれど、素敵なものでいっぱい!もちろんガールズ自身が購入できるお値段です。ネット通販もあります。
言うは安しで「感性をビジネススキームに落とし込む」って、本当に難しいことなんですよね(私にも苦い経験アリ…)。

「ガールズたちのふわふわした言葉を変換するのが難しくて」と笑顔で話す里佳子さん。

「感性的な言葉」は、そのままではわかる人にしか伝わらない。
それを誰にでも伝わる言葉に導いたり、具体的な解決策や実施方法にまで落とし込む。

Over the Rainbow」には、ガールズを支える優秀なスタッフが男女問わず集まっています。
こうした人たちを巻き込むことで、実際のアクションにまで結びいていくところが本当にすごいと思うし、うれしく頼もしい気持ちになりますね。
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オープニングイベントにも様々なスキルを持ったスタッフが集まりました。
企業とコラボ
することは、より社会を巻き込む大きな輪にするためにもとても有意義。企業にとっても今の時代に直面している課題があって、
「消費者に賛同されるには、社会に貢献する企業であると認知されなければならない」という流れもきているのかなと。

感性+社会変革+ビジネスのマッチング
はとても素敵なことだと思います。
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オープニングイベントの翌日、15名くらいで行われたビジネスセッションには私も参加して、「Over the Rainbowの今後の方向性」というテーマについて発言をさせていただきました。(そうそうたるメンバーで緊張しましたが(笑))
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メンバーの経歴などを聞いてびっくり。皆さんすごい方たちだけれども、話すときはご自身のことだけではなく、相手のお話をじっくり聞いて下さるタイプなのですよ。ビジネスセッション当日はTVカメラも入っていました。

「好きなもの」を社会貢献に結びつける取り組みといえば、
カルチャーシーンでは、世界最大の同人誌即売会・コミックマーケットと日本赤十字が協力して行なっている「コミックマーケット 献血応援イベント」が有名です。
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私自身は、「ガールズ以外」の人たちもフィーチャーされるといいなと思ってます(笑)。「好きなもの」は「おしゃれ」以外にもいろいろあるので
私はより多くの人を巻き込むには、「楽しいこと、好きなこと」が欠かせないと思っていて、それはカルチャーの役割でもあると思ったのでした。
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ガールたちにスマイル!と声かける壁のペインティング。すぐ下には鏡が置いてあるんですよ!
自分の顔を見て笑顔になること、それは自分と社会を愛することに繋がるというメッセージ…だと私は受け取りました。


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Over the Rainbow 原宿店

150-0001東京都渋谷区神宮前6-9-6
(東京メトロ 明治神宮前駅 7番出口より徒歩30秒・JR山手線 原宿駅より徒歩3分)
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ショップは開いていない日もあるかも。行かれる前には、あらかじめ公式サイトのメッセージ欄から問い合せてしておくと良いかなと思います!

posted by 渡辺由美子 at 19:52| Comment(0) | ビジネス

2014年09月27日

全体を見渡すのだって専門性と同じくらい大切

現代ビジネス「賢者の知恵」【第1回】
糸井重里×安西洋之
「頭のなかの世界を探検することが、
仕事としては一番簡単で、一番奥深い」

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※写真はリンク先の記事から引用しました

尊敬するビジネスプランナー安西洋之さんと、糸井重里さんとの対談。
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安西氏「何らかの専門性を持った人は、広いジャンルにまたがることを話すと畑違いだと言われたりして、きゅうくつそうですよね」 
糸井氏「本屋でも居場所がなくてあまり売れません(笑)」
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ビジネス書が“きゅうくつそうな棚”だと感じることは、私もよくあります。
そう思う理由のひとつは専門性に特化しすぎて、似たような方向性のものばかり発行されることにあります。

対談で出てくる「売り子は重要な仕事」というくだり。
私も学生時代のバイトで販売をやっていてそれを痛感しました。

この対談では「良い売り子は、地に足が付いている」と語っていました。
それは、世の中にはいろんな価値観の人がいるけれども、
全体を見渡してそれぞれに対応できるのが良い売り子だということでした。
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写真はニコニコ動画主催の「ニコニコ超会議 第2回」の会場。送り手とお客さんと距離が近い

そして、売り子の話から
「日本人は専門を究めるのはうまいけど、
全体を見渡すものに名前がつかない、軽視される傾向がある」
という話に繋がりました。
売り子も「おもてなし」を体系化して学問にすればいいのかしら、なんて思ったり。

今はビジネスもカルチャーも、様々な分野が専門性を深めて豊かになっている一方で、
その分野の外側にいる人には届きにくい時代です。
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その分野ですごいことが起こっていても、外には伝わりにくい。どう伝えていくか。

私も、アニメなどのサブカルチャーを扱うライターをしているけれども、
専門性を深く掘り下げる以上に、
別ジャンルと連動させたり、一般性を持たせて語りたい
だからこうした記事にとても共感してしまいました。


「ローカリゼーションマップ」勉強会でお世話になっている安西さんのブログと連載はこちら。
ブログ「さまざまなデザイン/ヨーロッパの目」

安西洋之のローカリゼーションマップ - 連載・コラム - SankeiBiz 

posted by 渡辺由美子 at 18:57| Comment(0) | ビジネス

2013年10月17日

「web制作」と「出版の仕事」のマッチングについて

web業界の人と、「紙の出版」と「webのコンテンツ制作」の仕事のマッチングができないかという話になりました。
web業界の人から見ると、出版業界のライターや編集さんは、どんな仕事ができるのか、どう仕事を頼んでよいのかわからないということでした。
逆に、私のような紙の出版業界が長い人は、web制作の中に自分ができる仕事があるのかわからない。

それで、なぜわからないかということを話し合ってリストアップしてみました。
web制作さん:SEOがわかるライターさんだといいな。
:SEOって何?
web制作さん:こうするとGoogle検索の上のほうに来る言葉が入れられる、ということです。
経営者さん:そもそもライターさんや編集さんの職分と、料金の相場がわからない。
:「クラウドワークス」とか「ランサーズ」とか、いろんな職業のマッチングサイトがあったけど、そこで見るライター仕事は「800wで150円」とかあまりに安いのでびっくりした。
web制作さん:数が勝負という仕事もあるんです。
:それじゃあ、紙の出版みたいな「こうすればお客さんに読まれる」仕事はwebにないのかな?
プログラマさん:あっ、そういうことで言えば、この前僕が作っていたwebサービス。渡辺さんのアドバイスにすごく助かりました。「こうしたらもっとお客さんが関心を持つ」みたいな。
:えっ、あれでよかったの? ただちょっと口を出しただけなのに? 
……そういえば思い出した。別のwebサービスを見たときに、1年もかけて誰も見ないようなサイトを作っていたところがあって。あれ、一番最初に雑誌作ってる人間に2時間でも見てもらっていたら、お客さんの食いつきが全然違ったものになったのに……。コストがめちゃくちゃもったいないと思った!
プログラマさん:それってコンサルという仕事になるんじゃないですか?
:あ、そうか。
web制作さん:もし、そうした人をコンサルという仕事でお願いするとしても、クリック数が少ないサイトを1年間作ってるよりは、トータルコストとしては全然安く上がりますね。
経営者さん:そう、「ライター」とか「編集」とか職業の名前で言っちゃうから、webになると、何を頼んで良いか判らない人、ということになっちゃうんですね。
:じゃあ、「スキル」で頼めばいいんだ。今ある職種にしばられないのが〈その人の個別スキル〉。
今、webと紙の出版に必要なのは「マッチング」以前に、ライターや編集という職業名にしばられずに、「どんな仕事があるか」を分解していくことなんですね。
経営者さん:僕が「何でも屋」を名乗っているのはそういうこともあるんですよね。職業名が仕事を限定しちゃうから。

〈職業名が仕事を限定してしまう〉、そこが異業種マッチングをする際のネックなのだとわかりました。
解決策は、「スキル分解」と「スキル名の抽象化」です。


【今日のまとめ】「紙の出版」と「webコンテンツ制作」の仕事のマッチングについて
●web制作と紙の出版では、まず、お互いの仕事が何であるかがわからない
●だからライターや編集といった「職種」で判断するしかない
●でも「職種」で判断すると、出版側からすると「人によって得意なところが違うよ」ということになる
●じゃあ職業ではなく、「スキル」に分解してみよう
●分解したスキルであれば、編集でもライターでもデザイナーでもカメラマンでも、誰でも入っていける
●欲しい「スキル」を「抽象化した言葉」に置き換えるサイトがあればいい
●仕事の依頼者は、「スキル」別に依頼する
●仕事をしたい個人は、自分はどのスキルを持っているのかを意識して、自分のブランディングに活かす


【追記】……この記事を上げたあとにプログラマさんからコメントが。
『解決策については、スキルの分解もありますが、お互いがお互いの仕事について知ることも大事かなぁと思いました。共通言語になっていないと、結局話がすすまないと思うので。』とのこと。
確かに、「お互いがお互いの仕事を知ること」がすごく大切ですよね。異業種同士では、用語ひとつ取っても、お互い違う認識で語られていることがよくあります。こういうの、講習会とかできないかなあ。

さらに追記……アプリ制作者さんからコメントが。「自分がアプリ制作で組む人を探すときは、今までやってきた成果物を見ます(今までにどんなものを作ってきたかを知りたい)」「その人の興味関心が何にあるかを知りたい」とのこと。
posted by 渡辺由美子 at 15:08| Comment(0) | ビジネス